「住宅ローン50年」は賢い選択? 新NISAで考えるリスクと堅実な資産形成戦略

近年、住宅ローン50年返済という超長期ローンが注目を集めているのをご存知でしょうか?

最近この類のニュースをたまに見かけます。

建築コスト高騰の波を受け、「月々の返済額を少しでも抑えたい」と考える若い世代にとって、
魅力的な選択肢に見えるかもしれませんね。

中には、長い期間ローンを組むことによって、月々の住宅ローンを抑えてその分をNISAに回すという方もいるようです。

一見良さそうにみえるシステムですが、

将来の資産形成やリスクを考えていないと大変なことになるかもしれません

この記事では、50年ローンの実態と、新NISAによる堅実な資産形成の考え方を踏まえ、

「本当に賢い選択とは何か」を徹底的に解説していきます。

目次

1. ニュースが語る「住宅ローン50年」の現状と背景

先日見かけたニュース記事では、

北海道の新築戸建て平均価格が2017年の2,738万円から2025年には3,647万円と、
なんと909万円も上昇していると報じられていました。

これほど高騰すれば、誰だって月々の支払いを抑えたくなりますよね。

こうした状況から、金融機関も「50年住宅ローン」を積極的に導入しています。

若い世代を長期的に顧客として囲い込めるメリットがあるため、
北海道の北洋銀行ではこの半年間で50年ローンを選択した人が全体の約6%に増加したとのこと。

まさに、需要と供給が一致した結果と言えるでしょう。

しかし、私は目先の返済額に囚われることの危険性について、もっと深く考えるべきだと考えます。

そのことについて次で詳しく解説します!

2. 老後破産のリスクと人生の不確実性

ローン期間が長くなることの最大のリスクは、単純な支払う期間が長いということではなく、

支払いが進み、高齢になったとしても、残債が物件価格を上回るというリスクです。

35年と50年、同じ条件で5,000万円のローンを組んだ場合、支払いの総額は数千万円単位で増えます

そのため返済が進まないことから、築20年以上の戸建てを売却する際に、物件価格が残債を下回ってしまう可能性が高まります。
転勤や介護など、予期せぬ事情で売却せざるを得なくなった場合、数千万円単位の借金だけが手元に残ってしまうという悲惨な結末も十分にあり得るのです。

50年という長い年月では、

最早、転勤・健康・介護・教育などの想定していない多額の支出は必ず発生すると言っても過言ではありません。


そういった予期せぬケースに陥り、最悪の場合、家を売却するとなっても負債だけが残り


「老後破産」


という厳しい現実が待ち受けているかもしれません。

老後資金を形成するどころか、ローン返済のために働き続けなければならない……

そんな未来、想像しただけでゾッとしますよね、、、


冒頭でお話したとおり、

「月々の返済額が軽くなる分を投資に回して、後から繰り上げ返済で巻き返す」

という計画を立てる方もいらっしゃるでしょう。

確かに、新NISAを活用すれば資産を増やすチャンスはあります。

50年間という超ロングスパンで、
あなたの人生計画が思い通りに進む保証はどこにもありません。

「人生の不確実性」という大きなリスクを、私たちは常に意識しておく必要があります。

3. 月3万円の差が招く「総利息2,800万円の負担増」という現実

ここまで50年ローンのリスクについて説明してきましたが、

ここで、具体的な比較をしてみましょう。
・借入金額:5,000万円 
・金利:2.000%
本来では考えにくいですが金利が同じ条件だとしても、

●35年ローン(420回払)
 返済総額:69,564,969円
 支払利息総額:19,564,969円
 月額返済額:165,631円

●50年ローン (600回払)
 返済総額:79,136,829円
 支払利息総額:29,136,829円
 月額返済額:131,895円

返済総額は約1,000万円の差となります。


月々の返済額が3万円軽くなる裏には、

なんと「総利息で数千万円もの負担増」が潜んでいる可能性があるのです。

このことはこれから住宅ローンを検討されている方はよく覚えておいてください、、、

目先の負担が減ることに魅力を感じても、

長期的に見ればこれほどの大きな金額を余分に支払うことになるのです。

冷静に考えれば、これは決して「得」な選択とは言えないのではないでしょうか?

4. 新NISAで考える堅実な資産形成戦略:住宅ローンとの両立

私が新NISAのつみたてで一貫して主張しているのは、

「長期・分散・低コスト」を基本とした、

感情に流されない「ほったらかし投資」が、個人投資家にとっての最適解だということです。


新NISAの非課税期間が無期限になったことで、この戦略はまさに最強の味方となります。

住宅ローンと資産形成を考える上で、このNISAに対する考え方は非常に重要です。

安易に50年ローンを選び、月々の返済額を抑えることで浮いたお金を投資に回すという考え方も理解できますが、

これまで説明したように、そこには大きなリスクが伴います。


私は、NISAでの資産形成は、

あくまでも「無理のない範囲で、時間を味方につけてコツコツと積み立てていくべき」だと強く主張したいです。

日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で資産を育てることが、精神的な安定にもつながります。


住宅ローンの返済計画は、「攻め」の計画ではなく「堅実」なものとしてください!

5. まとめ:リスクを理解し、あなたにとっての「得」な選択を

「住宅ローン50年返済」は、

月々の返済額を抑えられるという「甘い誘惑」がある一方で、

老後の巨額な残債、売却時の残債割れリスク、そして総利息の増加といった、


人生を大きく左右する可能性のある危険性をはらんでいます。


もちろん、個々のライフプランや状況によって最適な選択は異なります。

しかし、安易に超長期ローンに飛びつく前に、これらのリスクを十分に理解し、

ご自身の資産形成全体の中で、

どのようなバランスが最も堅実であるかを深く考える必要があるのではないでしょうか?

安心できる未来を築くためには、「攻め」の投資だけでなく、

「守り」のライフデザインも非常に重要です。


住宅は人生の基盤。


現実的な返済期間で、新NISAでの堅実な資産形成を目指すことこそが、

本当の意味での心の安定と、豊かな未来につながるのではないでしょうか。

あなたにとって、本当に「得」な選択は何だと思いますか?


ぜひ、この記事を参考に、一度じっくりと考えてみてくださいね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

手取り月15万円・年収300万円→子ども2人・住宅ローン年180万円を抱えながら、世帯年収1000万円・年間投資額300万円を達成した
節約好きがサイドFIREを達成するまでの過程を発信しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次